コーク ~リトルアイランド~グロンタウン~フォタ~ キャリガロー~ラッシュブルック~コーヴ

Cork - Littleisland - Glounthaune - Fota - Carrigaloe - Rushbrooke - Cobh

 

Cork Station

コーク駅

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 コーク駅は、別名ケント(Kent)駅です。コーク・ケント駅と言ってもいいし、英語では「ケント・ステーション・コーク」という言い方も良く聞きます。どれが正式という概念はあまりなさそうで、どれでも通じます。かつてはコーク市中心部に複数のターミナル駅があったので、区別が必要でしたが、廃線や統合によって、今は、アイルランド第二の都市にして、市内に駅は一つしかありません。ですので、鉄道駅と言えばコーク駅であり、ケント駅でもあり、どれでも通じるのです。コーク市内で駅への道を聞くなら、Train Station 又は、Railway Station はどちらか、でも十分です。駅が一つしかないので、間違いようがありませんし、どの駅だ、と聞き返されることもありません。

 ケントというのは、もともとの地名ではなく、人名(トーマス・ケント Thomas Kent 1865-1916)です。アイルランドの主要15駅には、独立戦争で犠牲になった名士たちの名前が副駅名のように添えられており、市内に複数駅がある場合、その区別も兼ねています。といっても、区別の意味があるのダブリン(Dublin)だけで、それ以外の街は、街を代表する駅はどこも一つだけです。ダブリンは、ヒューストン(Heuston)駅、コノリー(Connolly)駅、ピアス(Pearse)駅の3つの主要駅があり、これら人名を添えて区別されています。単なるダブリン駅で通じる中央駅のような駅はありません。ちなみにこれらは、1966年、独立戦争50周年のタイミングで名付けられました。それ以前はこの駅は、コーク・グランマイアー・ロード駅(Cork Glanmire Road Station)と呼ばれていたそうです。駅前を通っている道路の名前です。

 この駅は、アイルランド第二の都市コークの表玄関として大事な役割を果たしています。しかし、立地は場末であり、市街地から1キロほど離れています。最近まで、駅周辺は都市の玄関口とは思えない寂しさでした。ここ数年で駅裏だった南側で、リー川(River Lee)との間での再開発が進みました。駅出口はずっと北側にしかなかったのですが、2017年11月に、南側にも出口ができ、バスターミナルがそちらに整備されました。

 

 

 駅の構造は、珍しいというか、趣味的に見れば面白いことは面白いです。裏を返せば使い勝手はいいとは言えません。多分、現場の職員の方も、もう少し使いやすい構造だったらと思っているのではないでしょうか。

 ホームは5番線まであります。北側から1~3番線で、メインの改札口を入ればすぐ東側に、頭端式のホームが並び、終着駅らしさが漂っています。1~2番線が一つのホームで、3番線は4番線の切り欠きホームです。1~3番線は、構造的にコーヴ・ミドルトン(Midleton)方面の東へ向かう線しか発着できません。

 4番線と、対になる南側の片面ホームである5番線は、この2線だけが屋根で覆われており、ここは主にマロウ(Mallow)・ダブリン方面への本線が発着します。コーヴ・ミドルトン方面の列車も発着可能で、車輛運用の都合で時々使われることがあります。つまり、コーヴ・ミドルトン方面の短距離列車は全てのホームから発着可能なのに対して、マロウ・ダブリン方面は、4~5番線からしか発着できません。現在はマロウ・ダブリン方面は長距離列車が1時間に1本というのが原則です。この線は、コーク近郊の輸送は行っておらず、最初の駅マロウまでは34キロもあります。コークとマロウの間、特にコークに近い側にいくつか駅を作って近郊輸送をする計画がありますが、そうして通勤列車が増えた場合、この駅の構造だとマロウ・ダブリン方面の発着線が不足しそうです。

 マロウ・ダブリン方面は、駅を出るといきなりトンネルです。コークが丘に囲まれた起伏のある都市であることを象徴するかのように、いきなりその丘の下を潜って北へと進んでいきます。しかも、ダブリン~コーク266キロの全線で、これが唯一のトンネルなのです。ちなみにコーヴ・ミドルトン線にもトンネルはありません。

 この駅には自動改札機があります。2017年11月に南側の出口ができるまでは、出口は北側一つしかなかったので、自動改札ができる前から長年使われていた北側の改札口を通って全てのホームに入っていました。しかし、南口ができた時、改札を通らずに、つまり鉄道利用者以外も南北自由通路として地下道を通れるようにするために、5番ホームのみ、別途ホームに自動改札機が設けられました。コーク駅から乗車する場合、5番線の列車に乗る場合は地下道をくぐって5番ホームに行き、ホーム入口の改札機に切符を通します。1~4番線からの列車に乗る場合は、北口からの客は駅舎に入ってそのまま昔からの改札を通ります。南口からの客は地下道を通って北口の駅舎に入ってから、改札を通ることになります。